特産「甲州百目柿」について
2024.11.10
特産の甲州百目柿(渋柿)について
当直売所のある山梨県甲府市中道地区は甲州百目柿(渋柿)の産地です。
全国的に百目柿、百匁柿と言われるとても大きな品種で、山梨県では甲州百目柿、他県では蜂屋、富士柿、江戸柿、代白柿などと呼ばれています。
渋柿なのでそのままでは渋くて食べられません。
主に、渋抜き柿、ずくし、あんぽ柿、ころ柿、ドライフルーツなどにして食べられます。
どれもご家庭でも簡単に作ることができます。
出荷時期/10月25日ごろ~11月半ばごろ ※その年の気温によって販売時期は変動します
出荷量/最盛期は1日に120箱くらい出荷
価 格/1200~1700円(税抜)※果実のサイズによって価格が変わります。
※出荷の終わり時期は目安です。出始めと終わりの時期は出荷数が少ないです。
※電話やネットでの予約・注文・発送は受け付けておりません。
▼甲州百目柿の食べ方
●渋抜き柿(1~2週間で完成)
アルコール度数30度以上の焼酎などで渋抜き処理をして甘くしたもの。
甘柿と同じように生のまま食べられる。
●ずくし(2週間で完成)
おそらく「熟柿」と書いて「じゅくし」ですが、当地域では「ずくし」呼びが主流。※じゅくしが訛った説が有力
山梨県内でもほとんどの人が知らず、農村などでも年配の方々しか知らないようなレアもの。
ずくしは本来、収穫せずに放置した渋柿がそのまま樹上で完熟して真っ赤に染まり、中がジュルとろっとゼリーのように甘く変化したもの。
農家自身も畑の休憩時間に喉を潤すくらいにしか食べず、捨ててしまったり放置して鳥のエサ…という認識で、まさか商品価値があるとは思っていない人がほとんど。
当店でずくしの販売を発信していても、ほぼ出荷数はゼロに近いという…知名度マイナス以下の特産品。(2024年11月現在)
産地にも県外の皆様にもずくしの美味しさを知ってもらうために試行錯誤中で、家庭でも簡単に作れるずくしは買った渋柿を常温で2週間追熟するだけ。
本来のずくしと何も変わらない美味しいずくしが作れます!
●あんぽ柿(2週間~20日で完成)
熱湯で殺菌処理をして干した渋柿。風通しの良いところで吊るして干すことで水分が抜けて干し柿になっていく。
完全に乾く手前で中が少しトロっとした状態のもの。水分量50%ぐらいがベスト。
●枯露柿(約1カ月で完成)
山梨県の特産品でもある「枯露柿」(ころがき)※干し柿のこと
あんぽ柿よりもさらに干して、水分量30%以下まで乾かす。
表面に糖分が白く浮き出て覆われると美味しい証拠(カビではない)
ねっとりとして濃厚な甘みが特徴で、冷凍で長期保存可能。
▼甘柿と渋柿の違い
※渋み成分タンニンは本来水溶性なので、口に入れると唾液の水分で溶け出して渋みとして感じる
▶甘柿=熟すと渋み成分タンニンが変化して口の中で溶け出さない(甘さだけ感じる)
▶渋柿=熟しても渋み成分タンニンが変化せず口の中で溶け出す(甘さも渋さも感じる)
→意図的に渋抜き処理をするか、さらに完熟状態まで追熟させることで渋み成分タンニンが変化して口の中で溶け出さない(甘さだけ感じる)
▼地球温暖化の影響
近年、温暖化によって本来の収穫時期である10月、11月が暖かいことで柿が早くに熟し始めて柔らかくなり、木から落ちてしまったりしています。
また干し柿は気温が寒くなったころに外気に当てて干して作るのですが、気温が暖かく干してもカビが発生しやすかったりと温暖化の影響を受けています。
当店では気温が下がるころを予測して販売時期を決めています。(早くに売り始めると購入して干し柿を作った場合にカビて失敗しやすいため)
柿は年々収穫時期が早まるのに、気温はなかなか下がらず販売時期は遅くなるという現状で、多くの柿が販売前にダメになっています。
渋柿は干し柿だけでなく、渋抜き柿やずくしとしてご活用いただくのもオススメいたします!